ヒットする映画は時代背景と密接に関連している?

映画の歴史は長く、無声映画から始まり100年以上の年月が流れています。これだけ長い歴史ですから、それぞれの時代でヒットする映画の特徴というのは異なり、歴史的背景や世相を色濃く反映したものとなります。

例えば、大津波や大地震などをメインテーマとしたパニック映画が、1970年代アメリカで流行し、多くの作品がヒットを記録しました。この時代は、中東の情勢不安など先行きが見えない時代であり、そのような背景を色濃く反映したパニック映画が、大衆の需要とうまくマッチした、と言われています。この時代は日本でもゴジラシリーズが流行っていましたので、これも世界情勢を反映したものであるといえるかもしれません。

他にも、アメリカンドリームを描いたサクセスストーリーである「ロッキー」などは、当時の成功を夢見る多くの起業家や若者をひきつけており、建国200年で湧くアメリカの当時の時代背景と見事にマッチしていたといえます。

不安が渦巻く混乱の時代にはパニック映画が、経済成長や発展など、希望の活路が見えるような時代には明るい映画がヒットしやすいというのは、データから見ても明らかなようです。

つまり、映画作品がとるべきマーケティング戦略というのは時代で異なり、その時代の需要に合わせる必要があるということです。今後日本や世界がどのような時代になるのかは誰にも予想できませんが、映画作品をヒットさせるためにはこのような要素をしっかりと加味しておく必要がありそうですね。